越境ECを始めようと考えたとき、最初に迷いやすいのが「どのプラットフォームを選ぶべきか」という点ではないでしょうか。現在は、Amazonや天猫国際(Tmall Global)といったモール型に加えて、ShopifyやMagentoなどの自社型まで、選択肢が非常に多様です。各プラットフォームには特性があり、運用の難易度やコスト、販売スタイルとの相性も大きく異なります。そのため、商材の特性や戦略との組み合わせを見極めることが、成功への第一歩です。

そこで今回は、モール型と自社型の違いや選び方のポイントを整理し、地域別に人気の越境ECプラットフォームを比較します。越境ビジネスに取り組もうとしている中小企業や個人事業主の方が、自社に合った選択肢を見つけられるよう、実用的な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
  1. 越境ECとは?モール型と自社型の違いをおさえよう
    1. モール型越境ECとは?大手プラットフォームの仕組みを解説
    2. 自社型越境ECとは?ブランディングや独自運用に強み
    3. それぞれのメリット・デメリットを比較
    4. モール型と自社型、どちらが自社に合っている?判断ポイントとは
  2. 越境ECプラットフォームの比較ポイント
    1. ​それぞれの越境ECプラットフォーム特有の特徴
    2. ​取り扱い商品との相性
    3. 決済方法・通貨・言語の対応範囲
    4. 物流・配送方法における現地ニーズへの対応の可否
    5. 現地規制や輸出制限などの法的リスク
    6. 運用体制に合った管理画面・サポート機能
    7. 初期費用・月額費用・販売手数料の違い
  3. 【地域別】モール型越境ECプラットフォーム20選を比較
    1. 中国で人気の越境ECプラットフォーム
      1. 天猫国際(Tmall Global)
      2. 京東国際(JD.com)
      3. 考拉海購(Kaola)
      4. 豌豆公主(Wandougongzhu)
      5. 淘宝網(タオバオ)
    2. アメリカで人気の越境ECプラットフォーム
      1. Amazon
      2. eBay
      3. Walmart
      4. メルカリ(US)
    3. ヨーロッパで人気の越境ECプラットフォーム
      1. Vinted
      2. G2A
    4. 東南アジア・台湾・韓国などアジア圏の越境ECプラットフォーム
      1. Shopee(東南アジア)
      2. Lazada(タイなど)
      3. Qoo10(シンガポール・韓国)
      4. PChome(台湾)
      5. Yahoo!奇摩(台湾)
      6. Coupang(韓国)
      7. Gmarket(韓国)
      8. 11番街(韓国)
      9. IndiaMART(インド)
  4. 自社EC型プラットフォーム10選を比較
    1. Shopify(ショッピファイ)|世界シェアNo.1の越境ECプラットフォーム​
    2. Adobe Commerce(Magento)|柔軟なカスタマイズが可能な大規模向け​
    3. WooCommerce|WordPressと連携した無料ECシステム​
    4. Wix(ウィックス)|デザイン性に優れた中小企業向けサイト構築​
    5. LaunchCart|アジア市場に強いスタートアップ向けサービス​
    6. Live Commerce|多言語対応・動画配信が可能な販売ツール​
    7. MakeShop(メイクショップ)|輸出代行と連携し業務を効率化​
    8. PrestaShop|ヨーロッパ圏をターゲットにしたオープンソース型​
    9. Multilingualcart|多言語対応に特化した国際販売支援プラットフォーム​
    10. BuyeeConnect|日本製品の海外販売を手軽に実現
  5. まとめ:商材とターゲットに合った越境ECプラットフォームを選ぼう

越境ECとは?モール型と自社型の違いをおさえよう

越境ECとは?モール型と自社型の違いをおさえよう

海外に商品を販売したいと考えたとき、まず検討すべきなのが「越境ECプラットフォーム」の活用です。なかでも、代表的な方式として「モール型」と「自社型」があり、それぞれ運用方法やメリットが異なります。導入にあたっては、仕組みの違いや特徴を理解することが第一歩です。

ここでは、両者の基本的な概要と使い分けの考え方を整理していきます。

モール型越境ECとは?大手プラットフォームの仕組みを解説

モール型越境ECは、複数の事業者が一つのプラットフォームで出店し、世界中の消費者に商品を提供できる仕組みです。代表的なものに、Amazon、天猫国際(Tmall Global)、楽天市場などがあります。

これらのモール型プラットフォームは、集客力や決済、物流、言語対応などのインフラが整っており、越境ECを始める際に非常に便利です。そのため、初めて越境ECを実施する企業でも、手軽に利用できる点が特徴です。

初期費用や出店料、販売手数料が発生するものの、独自ドメインの取得や集客施策が不要で、スピーディーに海外展開が可能です。さらに、モール型プラットフォームによっては、現地の法規制や輸出制限への対応、カスタマーサポートも提供されており、安心して販売を開始できます。

商材やターゲット地域によっては、これらのプラットフォームが最適な選択肢となることもあります。自社の状況に応じて、どのプラットフォームを利用するかを検討することが重要です。

自社型越境ECとは?ブランディングや独自運用に強み

自社型越境ECとは、独自ドメインを用いて自社専用のECサイトを構築し、海外ユーザーに直接商品を販売する仕組みです。最大の特長は、ブランドの世界観を自由に表現でき、機能やデザインのカスタマイズ性に優れている点です。

これにより、マーケティング施策やユーザー体験を細部まで設計できるため、ブランドの信頼性や差別化を重視する企業にとって理想的な選択肢となります。また、販売手数料が発生しないため、運営の工夫次第では利益率の最大化が可能です。

しかし、集客や決済、物流、多言語対応などを自社で整える必要があり、初期構築や運営面での負担はモール型に比べて大きくなります。そのため、商材や販売戦略によっては自社型が最適な選択肢となる場合もありますが、ターゲット市場やリソースを踏まえて慎重に導入可否を検討することが求められます。

それぞれのメリット・デメリットを比較

モール型と自社型の越境ECにはそれぞれ特徴があり、選び方を誤ると運用面での負担やコストが増大する可能性があります。モール型は、既存の集客基盤を活用できる反面、出店料や手数料が発生します。

一方で、自社型は自由度が高く、利益率を向上させやすいですが、構築や運用には一定のリソースを要します。以下の表では、各形態のメリットとデメリットを整理しました。自社の状況に応じて、最適な形態を見極める際の参考にしてください。

モール型越境EC 自社型越境EC
メリット ・既存の集客力を活用できる
・多言語・決済・物流などの機能が整っている
・スピーディーに販売開始できる
・ブランドや世界観を自由に表現できる
・機能・デザインの自由度が高い
・販売手数料が不要なケースが多い
デメリット ・販売手数料や出店料がかかる
・カスタマイズ性が低い
・競合が多く価格競争に陥りやすい
・集客や運営を自社で行う必要がある
・初期構築や運用負担が大きい
・多言語・物流対応が必須

モール型と自社型、どちらが自社に合っている?判断ポイントとは

モール型と自社型の越境ECの選択は、自社の商材や運営体制、目指す目標に応じて異なります。たとえば、知名度が低く、スピーディーに販売を開始したい場合は、集客力や決済・物流インフラが整ったモール型が適しています。

しかし、ブランドの独自性を重視し、中長期的にリピーターを獲得したい場合は、自社型のほうが向いています。さらに、人的リソースや運用ノウハウ、対応可能な言語や決済手段なども選定の際に重要な要素です。初期費用や手数料の許容範囲、カスタマイズの自由度を考慮したうえで、最も運用しやすく成果が出やすい形態を選ぶことが重要です。

越境ECプラットフォームの比較ポイント

越境ECプラットフォームの比較ポイント

越境ECを成功させるには、プラットフォームの基本機能や費用だけでなく、自社商材や運用体制との相性を見極めることが重要です。

ここでは、各プラットフォームの特性を判断するうえで押さえておきたい比較ポイントを整理しました。それぞれの視点から選定時の着眼点を詳しく解説します。

​それぞれの越境ECプラットフォーム特有の特徴

越境ECプラットフォームには、各サービスごとに特徴があります。例えば、中国市場に強い「天猫国際」はブランド信頼性が高く、女性向け商品が豊富です。アメリカの「Amazon」は、圧倒的な集客力を持ち、幅広い商品ジャンルに対応しています。

アジア向けには「Shopee」や「Lazada」など、初期費用が不要なモールもあり、参入しやすい点が魅力です。また、自社型の「Shopify」や「Magento」は、自由なデザインや多言語対応機能を提供し、ブランディングを重視したサイト構築が可能です。

このように、プラットフォームごとに得意な地域や商材、機能が異なるため、自社の販売戦略に合ったものを選ぶことが重要です。

​取り扱い商品との相性

越境ECプラットフォームを選ぶ際には、取り扱い商品とその市場との相性を確認することが重要です。たとえば、化粧品やサプリメントなどを取り扱う場合、女性ユーザーの比率が高い「考拉海購」などのプラットフォームが適しています。

一方、家電やパソコン関連の商品には「京東国際」が強みを持っています。また、古着やアクセサリーなどの中古品を販売する場合、「Vinted」などの特化型プラットフォームを選ぶと効果的です。

商材が現地の需要に合致しているか、また販売ジャンルに特化したECモールが存在するかを確認することで、無駄のない戦略的な出店が可能となります。自社の商材とターゲット層をしっかり照らし合わせながら、最適なプラットフォームを選びましょう。

決済方法・通貨・言語の対応範囲

越境ECを成功させるためには、決済方法、通貨、言語の対応が重要な要素です。現地ユーザーが利用する決済手段に対応していない場合、購入機会を逃すことになります。主要なプラットフォームでは、クレジットカードやPayPal、Alipay、WeChat Payなど、地域ごとに適した決済方法が利用可能です。

また、通貨は現地レートで自動換算される機能を備えており、スムーズな取引を支援します。さらに、多言語対応では自動翻訳や手動翻訳が選べ、ShopifyやMagentoでは最大60言語に対応しています。導入時には、ターゲット市場の決済習慣や言語ニーズを考慮し、それに対応したプラットフォームを選定することが必要です。

物流・配送方法における現地ニーズへの対応の可否

越境ECでは、物流・配送体制が現地ニーズに応じているかどうかが、顧客満足度や再購入率に直結します。例えば、AmazonのFBAのように現地倉庫から迅速に配送できる仕組みが整っていれば、リードタイムの短縮や返品対応が簡素化されます。

また、ShopeeやLazadaなど、一部の東南アジア向けモールでは、地域に特化した物流網を活用することで、低コストかつ迅速な配送を実現しています。さらに、関税の事前表示や追跡機能の充実も重要な要素です。

自社EC型の場合、国際配送代行サービスを利用したり、配送先ごとに異なる条件を設定できるプラットフォームを選ぶことで、対応力を高めることが可能です。

現地規制や輸出制限などの法的リスク

越境ECを展開する際、ターゲット国の規制や輸出制限などの法的リスクへの対応が重要です。各国には異なる輸入禁止品目や表示義務、関税制度が存在し、それらを理解せずに販売を開始すると、商品が没収されたり、罰金を課されるリスクがあります。

特に食品、化粧品、医療品などは厳しい規制があり、現地で販売許可を取得しなければならない場合もあります。また、個人情報保護や税制のルールも国ごとに異なるため、自社だけでの対応が難しい場合は、現地のパートナーや輸出代行業者と連携することが有効です。

プラットフォームによっては、こうした規制対応の支援を提供していることもありますので、事前に確認しておくと安心です。

運用体制に合った管理画面・サポート機能

越境ECプラットフォームを選定する際は、自社の運用体制に合った管理画面やサポート機能が整っているかを確認することが重要です。たとえば、Shopifyのように直感的なUIや操作ガイドが充実しているプラットフォームは、EC運営に不慣れな担当者でもスムーズに作業を進めやすくなります。

一方、Magentoのような高度なカスタマイズが可能なプラットフォームは、開発チームが豊富な企業に適しています。サポート体制に関しても、日本語対応や問い合わせ手段(チャット、電話、メール)を事前に確認し、トラブル時の対応速度を把握しておくと安心です。

運用負荷を抑えつつ、成果を最大化するためには、使いやすさとサポートの充実度を兼ね備えたプラットフォームを選ぶことが大切です。

初期費用・月額費用・販売手数料の違い

越境ECプラットフォームを選ぶ際には、初期費用、月額費用、販売手数料の違いを把握することが重要です。モール型の場合、出店時に保証金やテナント料が必要となることが多く、販売ごとに数%から20%程度の手数料がかかります。

対して、自社型は初期費用が高額になることが一般的ですが、販売手数料が発生しないケースもあり、長期的にはコスト削減が期待できる場合があります。さらに、ShopifyのようなASP型では、月額数千円から数万円で運用可能なプランが用意されており、導入の敷居が低い点も特徴です。

導入時には、必要な機能と予算のバランスを見極め、売上規模とコストの総額をシミュレーションすることで、後悔のない選定が可能になります。

【地域別】モール型越境ECプラットフォーム20選を比較

【地域別】モール型越境ECプラットフォーム21選を比較

世界各国で展開されているモール型越境ECプラットフォームは、それぞれ異なる市場特性やサポート体制を備えており、自社商材との相性が成果に直結します。

ここでは、中国・アメリカ・ヨーロッパ・アジアの各地域で支持を集めている20の主要プラットフォームを厳選し、特徴や対応機能、費用体系を比較しました。販売戦略やターゲット地域に応じて、最適なサービスを選定するための参考としてご活用ください。

中国で人気の越境ECプラットフォーム

中国市場は世界最大級のEC規模を誇り、越境ECの進出先として高い注目を集めています。特に日本製品への信頼が厚く、需要の高いプラットフォームが多数存在します。ここでは、天猫国際・京東国際・考拉海購など、信頼性やサポート体制に優れた中国の主要越境ECモールを紹介します。

各モールの特徴や費用、法規制への対応力などを把握し、自社の商品や販売戦略に最適な選択肢を見極めるための参考にしてください。

プラットフォーム名 特有の特徴 取り扱い商品 決済方法・通貨・言語対応 物流・配送対応 法的リスクへの対応 管理画面・サポート機能 初期費用・月額費用・販売手数料
天猫国際(Tmall Global) B2C型・品質管理徹底・信頼性重視 美容、食品、育児、生活雑貨など60カ国以上 Alipay、人民元、中国語に最適化 保税区発送、直送対応 中国法規制に精通した支援あり 操作性に優れたUI、サポートあり 保証金5〜30万元、年額3〜6万元、手数料0.5〜5%
京東国際(JD.com) 家電・PCに強み、独自物流網で高品質配送 家電、日用品、食品、ファッションなど WeChat Pay、JD Pay、人民元、中国語 自社物流網で迅速・高品質 全商品に正規品証明が必要 管理画面は中国語中心(代理支援あり) 保証金1万〜4万ドル、年額1,000ドル、手数料0.5〜6%+広告費あり
考拉海購(Kaola) アリババ傘下・直営モデル・女性人気 化粧品、サプリ、育児用品中心 Alipay、WeChat Pay、中国語・人民元 中国内倉庫あり・迅速配送 正規品仕入れルートで安全性高 中国語中心だが支援企業あり 非公開(信頼性重視の中〜高価格帯)
豌豆公主(Wandougongzhu) 日本企業専用・ワンストップ支援 日本製化粧品、健康食品、日用品など Alipay、WeChat Pay、中国語に完全最適化 現地配送網と連携で迅速 法規制対応を日本側が管理 運用代行・翻訳・販促すべて対応 案件ごとに異なる(要問合せ)
淘宝網(タオバオ) CtoC型・個人でも出店可・費用が安い アパレル、雑貨、食品など Alipay、人民元、中国語 中国配送網と連携で迅速 明確な審査なし、模倣品リスクあり 管理画面は簡素、中国語対応必須 基本無料(手数料なし/サポート費別途)

天猫国際(Tmall Global)

天猫国際(Tmall Global)は、アリババグループが運営する中国最大級の越境ECモールであり、日本製品に対する信頼性が高く評価されています。美容、食品、育児、ファッション、生活雑貨など、60カ国以上の多彩な商品を取り扱っており、B2Cモデルに基づいた品質管理が徹底されています。

決済手段としては、中国で広く利用されているAlipayに対応しており、言語や通貨も現地仕様に最適化されています。物流面では、保税区発送や直送に対応し、迅速かつ低コストな配送を実現しています。

さらに、出店支援体制が整っており、中国の法規制に精通しているため、ブランド信頼性の向上と法的リスク対応に強みを持っています。管理画面が使いやすく、サポート機能も充実しているため、運用負荷の軽減が可能です。

初期費用は保証金が5~30万元、年間サービス料が3~6万元で、販売手数料は0.5~5%と一定のコストがかかりますが、中国市場への信頼性重視で展開を進める企業にとって、有力な選択肢となります。

参考:天猫国際

京東国際(JD.com)

京東国際(JD.com)は、中国国内で2位のユーザー数を誇る大手越境ECプラットフォームで、家電やパソコン関連商品に強みを持つ点が特徴です。独自の物流網を構築し、迅速かつ高品質な配送体制を整えています。

取り扱う商品は家電や日用品、食品、ファッションなど多岐にわたります。また、WeChat PayやJD Payなど多様な決済手段に対応し、UIは中国語に最適化されています。法規制にも厳格に対応しており、すべての出品には正規品証明が求められます。

管理画面は中国語を基盤としていますが、代理店の支援を受けることで円滑な運用が可能です。初期費用として保証金が1万~4万ドル、年間1,000ドルのサービス料、販売手数料が0.5~6%で、広告費も必要となるため、コストは高めですが、信頼性を重視したブランド戦略に適したプラットフォームです。

参考:京東国際

考拉海購(Kaola)

考拉海購(Kaola)は、アリババグループ傘下の越境ECモールで、特に女性ユーザーから高い支持を受けています。化粧品やサプリメント、育児用品を中心に、美容・健康・生活系商品を取り扱い、80以上の国と地域に展開する直営モデルが特徴です。

品質の高さと信頼性が強みであり、決済手段としてはAlipayやWeChat Payに対応しています。さらに、通貨や言語は中国市場に最適化されており、物流面では中国国内に倉庫を設置して、迅速な配送を実現しています。

法的リスクに対する対策も充実しており、正規品の仕入れルートを活用することで安全性の高い販売が可能です。管理画面やサポートは中国語が基本ですが、パートナー企業の支援を受けることで、日本企業でもスムーズに参入が進められます。初期費用や販売手数料の詳細は公開されていないものの、信頼性重視の企業には適した選択肢です。

参考:考拉海購

豌豆公主(Wandougongzhu)

豌豆公主(Wandougongzhu)は、日本企業専用に設計された中国向け越境ECプラットフォームで、Inagora株式会社が運営しています。このプラットフォームの最大の特徴は翻訳から物流、決済、販促までを一括で代行する「ワンストップサポート体制」です。越境EC初心者でも安心して参入できる点が魅力です。

取り扱い商品は、日本製の化粧品、健康食品、日用品を中心に、高品質な正規品を直接仕入れる直営モデルを採用しています。決済は中国市場で広く利用されているAlipayやWeChat Payに対応し、言語も完全に中国語に最適化されています。物流面では、現地の配送網と連携し、迅速な商品提供が実現しています。

また、法規制対応は日本側で管理されるため、法的リスクを最小限に抑えることができます。初期費用や手数料は案件ごとに異なりますが、日系ブランドの中国市場進出において信頼性の高い選択肢となっています。

参考:豌豆公主

淘宝網(タオバオ)

淘宝網(タオバオ)は、アリババグループが運営するCtoC型の越境ECプラットフォームで、中国国内最大級の個人向けマーケットです。個人でも出店でき、基本的に手数料が無料であるため、コストを抑えて中国市場に参入したい事業者に最適な選択肢です。

主な取り扱い商品はアパレル、雑貨、食品などで、特に独自性の高い商品が好まれる傾向にあります。決済にはAlipayが使用され、通貨は人民元、言語は中国語が標準です。物流は中国内の各配送網と連携しており、迅速な配達が可能です。

ただし、出店時に明確な審査は行われず、信頼性や模倣品リスクに関する対応は自己責任となる点には注意が必要です。サポート機能や管理画面はシンプルで、運用には中国語対応のパートナーとの連携が求められることが一般的です。

参考:淘宝網

アメリカで人気の越境ECプラットフォーム

アメリカ市場は中国に次ぐ越境ECの巨大市場として、多くの事業者にとって魅力的な販路です。なかでもAmazon、eBay、Walmartなどは、高い集客力と豊富な機能を備えた代表的なプラットフォームとして知られています。

さらに、個人・中小事業者向けに適したBonanzaやメルカリ(US)なども注目を集めています。ここでは、アメリカで特に人気の高いモール型プラットフォームを取り上げ、それぞれの特徴や活用メリットを比較して紹介します。

プラットフォーム名 特有の特徴 取り扱い商品 決済方法・通貨・言語対応 物流・配送対応 法的リスクへの対応 管理画面・サポート機能 初期費用・月額費用・販売手数料
Amazon 世界200以上の国と地域で展開。FBAで迅速配送可。高い集客力。 家電、日用品、書籍、食品など幅広い 各国通貨・多言語対応 FBAによる現地配送、返品対応も整備 法規制対応もAmazonが支援 操作性高くマニュアル・サポート充実 大口:月額4,900円+販売手数料/小口:成約料100円+販売手数料
eBay オークション形式を起源とするグローバル展開。GSPで配送簡略化 ジュエリー、ブランド品、ホビー用品など PayPal中心、複数通貨・多言語対応 グローバルシッピングプログラム(GSP)対応 出品者が確認要。ガイドライン整備あり 英語中心。サポート文書が豊富 無料プランは250品まで手数料無料。落札・決済手数料が別途
Walmart 世界最大の小売チェーン。Shopify連携で効率的運用可能 食品、日用品、家電、アパレルなど クレカ、PayPal対応。米市場に最適化 WFS利用で迅速な現地対応 出店前審査と支援体制あり 英語ベース、Shopify連携で管理効率化 初期費用なし。販売手数料5〜20%(カテゴリにより変動)
メルカリ(US) CtoC特化。ユーズド品・ヴィンテージ品に強い需要 アパレル、雑貨、家電、ホビーなど中古品中心 米ドル・英語対応。アプリで操作 現地配送ネットワーク対応済み 出品者が責任を持って対応。ガイドあり アプリ中心の直感操作、日本語ガイドあり 出品無料。販売価格の10%が手数料

Amazon

Amazon(アマゾン)は、アメリカを拠点とする越境ECプラットフォームで、世界200以上の国と地域で利用されています。商品カテゴリは家電・日用品・書籍・食品など多岐にわたり、出品が可能です。

決済は各国通貨に対応し、言語も地域ごとに最適化されています。物流面では、FBA(Fulfillment by Amazon)を活用して、現地倉庫から迅速に商品を配送し、返品対応もスムーズです。

さらに、Amazonは各国の法規制や輸出手続きに関してもサポートを提供しており、越境EC初心者にも安心して利用できる体制が整っています。管理画面は操作性に優れており、充実したマニュアルとサポート体制も大きな魅力です。

費用面では、大口出品プランには月額4,900円に加え販売手数料が発生し、小口出品では1商品あたり100円の成約料と販売手数料がかかります。出品の手軽さと集客力の高さから、越境ECを初めて行う方にも適した選択肢と言えます。

参考:Amazon

eBay

eBay(イーベイ)は、アメリカ発の越境ECプラットフォームで、オークション形式からスタートし、現在は190カ国以上で利用されています。ジュエリーやブランド品、ホビー用品など、多様な商品カテゴリを取り扱っており、出品が可能です。

決済はPayPalを中心に対応しており、複数通貨と各国語に対応しています。さらに、eBayの「グローバルシッピングプログラム」を活用することで、国際配送や関税手続きを代行してもらえ、現地配送の手間を軽減できます。

法規制については、販売禁止品目や輸出制限の確認が必須ですが、eBay公式のガイドラインが整備されており、安心して運用できる環境が整っています。管理画面は英語が基本ですが、サポートドキュメントが豊富で、初めての方でも操作しやすい設計となっています。

無料プランでは最大250商品まで手数料が発生せず、落札手数料や海外決済手数料が別途必要です。

参考:eBay

Walmart

Walmart(ウォルマート)は、アメリカを拠点にした世界最大級のスーパーマーケットチェーンが運営する越境ECプラットフォームです。食品、日用品、家電、アパレルなど幅広い商品カテゴリを取り扱い、競争力のある価格設定が特徴です。

決済方法はクレジットカードやPayPalに対応し、通貨や言語はアメリカ市場に最適化されています。物流面では、Walmart Fulfillment Services(WFS)を活用することで、迅速な配送とスムーズな返品対応が可能となります。

法規制や輸出手続きに関しては、出店前の審査とパートナー支援体制により、安全性が確保されています。管理画面は英語が基本ですが、Shopifyとの連携機能を備えており、運用効率が高い点も魅力です。

初期費用は不要で、販売手数料は商品カテゴリによって5〜20%と変動します。競合が少ない現状では、アメリカ市場において先行者利益を得るための魅力的な選択肢と言えるでしょう。

参考:Walmart

メルカリ(US)

メルカリ(US)は、日本発のCtoCプラットフォーム「メルカリ」がアメリカ市場向けに提供する越境ECサービスです。主にアパレル、雑貨、家電、ホビー用品などを個人間で売買でき、特にユーズド品やヴィンテージ品への需要が高いことが特徴です。

英語表記と米ドル決済に対応しており、現地の物流ネットワークを活用して、効率的な配送が可能です。出品者の法的責任はありますが、ガイドラインが整備されており、比較的安心して利用できます。

アプリベースで直感的に操作できる管理画面を提供し、日本語サポートも完備しているため、初心者でも簡単に始められます。出品は無料で、販売成立時には販売価格の10%が手数料として発生するシンプルな料金体系となっており、低コストで海外販売に挑戦したい個人や小規模事業者に最適です。

参考:メルカリ(US)

ヨーロッパで人気の越境ECプラットフォーム

​​ヨーロッパでの越境EC展開を検討する際は、地域特化型のプラットフォームを活用することで、ニーズに合った効率的な販売が期待できます。特に注目されているのが、古着市場で人気の「Vinted」と、デジタル商材に特化した「G2A」です。

いずれもモール型の特長を活かしながら、明確なターゲットを持つことで差別化を図っており、商品のジャンルや販売戦略によって使い分けが可能です。ここでは、各プラットフォームの特性や対応国、運用面でのポイントを比較し、自社に適した選択肢を見つけるための参考情報を整理します。

プラットフォーム名 特有の特徴 取り扱い商品 決済方法・通貨・言語対応 物流・配送対応 法的リスクへの対応 管理画面・サポート機能 初期費用・月額費用・販売手数料
Vinted 古着・中古品に特化。16カ国以上に展開。サステナビリティ志向の高い消費者に人気 衣類、靴、アクセサリーなどの中古品 欧州主要通貨、PayPal等に対応。多言語翻訳機能あり(英語・仏語・独語など) 提携業者によるラベル発行、指定拠点へのドロップオフ方式で簡単出荷 中古品の規制や輸送条件に注意が必要 シンプルで直感的なUI、スマホアプリ中心。専用サポートあり 出品・掲載無料。販売時に販売価格の約5%が手数料
G2A デジタルゲーム特化。即時配送が可能で物理物流不要。訪問者数2億人以上 PC・コンソール向けゲーム、ソフトウェアライセンス クレジットカード、PayPal、G2A Pay等。多通貨・多言語対応(英語・独語・仏語ほか) デジタル配信による即時配送。物流不要 ライセンス規制や年齢制限に注意が必要 売上管理・プロモ機能付きの直感的な管理画面 初期費用・月額費用なし。販売手数料は5~10%前後

Vinted

Vintedは、ヨーロッパを中心に展開される古着特化型の越境ECプラットフォームで、現在はフランス・ドイツ・イタリア・スペイン・イギリス・アメリカなど16カ国以上に対応しています。

主に衣類や靴、アクセサリーなどの中古品を取り扱っており、サステナビリティ意識の高い消費者に支持されています。決済は欧州主要通貨やPayPalに対応し、多言語翻訳にも対応済みです。

配送は提携業者によるラベル発行と近隣の指定拠点へのドロップオフで完結し、手軽に出品できます。法規制リスクは比較的低いものの、各国の中古品規制や輸送条件の把握は必須です。UIはシンプルで直感的なアプリ運用が可能で、専用サポートも整備されています。出品や掲載は無料で、販売成立時のみ販売価格の5%前後が手数料として発生します​。

参考:Vinted

G2A

G2Aは、デジタルゲーム製品に特化した越境ECプラットフォームで、世界中の個人や事業者がゲームキーやソフトウェアを取引できるマーケットプレイスです。取り扱い商品にはPCゲーム、コンソール向けタイトル、ソフトウェアライセンスなどがあります。

多通貨・多言語対応がされており、英語、ドイツ語、フランス語など十数言語に加え、ユーロや米ドルを含む主要通貨が利用できます。決済方法は、クレジットカード、PayPal、G2A Payなどがあり、柔軟に対応可能です。

配送はデジタル形式で行われ、即時対応が可能なため、物理的な物流は不要です。法的リスクは比較的低いものの、国ごとの販売ライセンスや年齢制限には注意が必要です。管理画面は直感的に操作でき、売上管理やプロモーション機能も搭載されています。

初期費用や月額費用は不要で、販売手数料は5~10%前後とされ、低コストでグローバル展開を目指すデジタル商材事業者にとって最適な選択肢と言えます。

参考:G2A

東南アジア・台湾・韓国などアジア圏の越境ECプラットフォーム

​​東南アジア、台湾、韓国などアジア圏での越境EC市場は急速に拡大しており、それぞれの地域に特化したプラットフォームが多数存在します。例えば、ShopeeやLazadaなどのモール型プラットフォームは、低コストでの参入が可能で、現地消費者のニーズに応じたマーケティング施策が展開されています。

台湾や韓国市場向けには、PChomeやQoo10などが強みを持ち、日本製品に対する高い信頼度を活かして、効率的に越境ECを進めることができます。ここでは、各プラットフォームの特徴を詳しく解説していきます。

プラットフォーム 特有の特徴 取り扱い商品 決済方法・通貨・言語対応 物流・配送対応 法的リスクへの対応 管理画面・サポート機能 初期費用・月額費用・販売手数料
Shopee (東南アジア) モール型、初心者向け、低コスト アパレル、雑貨、美容品 現地通貨、ローカル言語対応 Shopee配送ネットワーク 各国の規制ガイドラインあり 日本語対応、カスタマーサポート充実 初期費用なし、販売手数料のみ
Lazada (タイなど) アリババ傘下、広範な商品取扱い 家電、アパレル、美容用品 多通貨、多言語対応 Lazada Express 関税表示、現地法規制に対応 日本語対応、管理画面充実 初期費用無料、販売手数料・物流手数料
Qoo10 (シンガポール・韓国) シンガポール発、韓国市場強み ファッション、化粧品、生活雑貨 現地通貨、主要オンライン決済に対応 Qxpress配送ネットワーク 出店ガイドラインに従う 日本語対応、簡単な管理画面 初期費用なし、販売手数料のみ
PChome (台湾) 台湾最大手EC、スピード配送 家電、食品、日用品 台湾元決済、現地言語対応 PChome独自の物流ネットワーク 台湾国内法に準拠 日本語サポートなし、取引サポートあり 初期費用要相談、手数料要確認
Yahoo!奇摩(台湾) 台湾版Yahoo、総合ポータルサイト アパレル、家電、日用品、コスメ 台湾ドル決済、中国語対応 台湾国内配送網 現地法規制対応 日本語出店ガイド、サポートあり 保証金、販売手数料1.49~8%、年間サービス料
Coupang(韓国) 高速配送、ロケットデリバリー 家電、日用品、ファッション 韓国ウォン、モバイル決済対応 ロケットデリバリー、迅速な出荷 出店ガイドラインあり、保証付き 日本語資料、管理画面あり 初期費用なし、販売手数料5~15%
Gmarket(韓国) 韓国国内シェア高、楽天との協業 ファッション、コスメ、KPOP関連 韓国ウォン、クレジットカード、モバイル決済対応 国内外物流網利用 出店時事前審査あり 日本語サポートあり、簡単な管理画面 初期費用なし、販売手数料商品カテゴリごと
11st (韓国) 韓国最大級、セール強化 ファッション、コスメ、生活雑貨、家電 韓国ウォン、クレジットカード、モバイル決済対応 国内外配送業者と連携 現地法規制に準拠、事前審査あり 日本語ガイドライン、サポートあり 初期費用なし、販売手数料商品カテゴリごと
IndiaMART(インド) B2B特化、製造業向け 産業用資材、機械、化学製品、アパレル インドルピー決済、英語対応 出品者自身が物流対応 業種別取引ガイドラインあり 英語管理画面、サポートあり

Shopee(東南アジア)

Shopeeはシンガポール発のモール型越境ECプラットフォームで、主に東南アジア諸国や台湾に展開しています。初期費用や月額費用が不要で、販売手数料のみの課金体系が特徴です。

アパレル、雑貨、美容品など幅広い商品が出品可能で、日本企業にとっても相性の良いカテゴリが多くあります。決済方法は現地の主要手段に対応し、通貨は現地換算、言語はローカルごとに自動切り替えができます。

物流面では、Shopeeが自社の配送ネットワークを活用し、迅速かつ安価に商品を届ける体制を整備しています。これにより、初心者でも安心して出荷が可能です。法的リスク対応についても、各国の規制に応じた出品ガイドラインやサポート体制が整備されています。

さらに、運用画面は日本語対応で、カスタマーサポートも充実しています。コストを抑えながら東南アジア市場へ展開したい事業者にとって、Shopeeは非常に有力な選択肢となるでしょう。

参考:Shopee

Lazada(タイなど)

Lazadaはシンガポールを拠点とし、東南アジア6カ国(タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、シンガポール)に展開するモール型越境ECプラットフォームです。アリババグループ傘下で成長を続け、家電、アパレル、日用品、美容用品など幅広い商品を取り扱っています。

多通貨・多言語対応に加え、Lazada Expressによる地域物流が整備されており、迅速かつ安定した配送が実現されています。さらに、関税表示や現地法規制にも配慮された運営体制が整っており、販売者にとって安心して利用できる環境が提供されています。

日本語サポートや管理画面も充実しており、越境EC初心者でも扱いやすいのが特徴です。初期費用や月額費用は無料で、販売手数料や物流手数料が発生する仕組みとなっています。

参考:Lazada

Qoo10(シンガポール・韓国)

Qoo10は、シンガポールを拠点に韓国や日本などアジア市場で展開するモール型越境ECプラットフォームです。特に韓国市場に強みを持ち、ファッションや化粧品、生活雑貨など多彩な商品を取り扱っています。

決済面では、現地通貨や主要なオンライン決済に対応しており、多言語にも対応しているため、地域ごとにスムーズな取引が可能です。また、物流面では、専用配送会社であるQxpressを活用することで迅速な出荷を実現し、越境配送にも強みがあります。

法的リスクへの対応も整っており、出店ガイドラインに従うことで、安心して運用を行うことができます。管理画面は使いやすく、日本語によるサポートも提供されています。初期費用が無料で、販売手数料のみで利用できるため、コストを抑えて東アジア市場に参入したい事業者にとって魅力的な選択肢です。

参考:Qoo10

PChome(台湾)

PChome(ピーシーホーム)は、台湾の主要なモール型ECプラットフォームの一つで、日本製品の人気が高い市場に強みを持っています。特にパソコンや家電製品の取り扱いが豊富で、ユーザーからは「24h Shopping」や「1111セール」などによる迅速な配送と大型販促が高く評価されています。

取り扱い商品は家電をはじめ、食品や日用品など多岐にわたり、台湾国内での需要に即した展開が可能です。決済は台湾元で行われ、現地の言語で表示されます。物流はPChomeの独自ネットワークを活用しており、安定した配送が強みです。

法的対応は基本的に台湾の国内法に準拠し、現地企業との連携を通じて出店ハードルを下げる仕組みが整っています。初期費用や手数料については要相談ですが、台湾市場への進出を目指す事業者にとって魅力的な選択肢となります。

参考:PChome

Yahoo!奇摩(台湾)

Yahoo!奇摩(ヤフーチーモー)は、台湾版Yahoo!が運営するモール型越境ECプラットフォームで、ショッピングだけでなく、ニュースや掲示板など多様なコンテンツも提供する総合ポータルとして広く認知されています。

取り扱う商品はアパレル、家電、日用品、コスメなど幅広く、年齢や性別を問わず、多くのユーザーに利用されています。決済は台湾ドルで行い、中国語にも対応しているため、現地の消費者に合わせた運営が可能です。

物流面では、台湾国内の配送網を活用し、迅速でスムーズな納品が実現されています。出店には15,000〜16,000台湾ドルの保証金が必要で、販売手数料は1.49〜8%、年間サービス料は12,000〜39,000台湾ドルと、料金体系は明瞭です。台湾市場で広範囲に商品を展開したい事業者にとって、信頼性と利便性を兼ね備えた選択肢となります。

参考:Yahoo!奇摩

Coupang(韓国)

Coupang(クーパン)は、韓国国内で非常に高い認知度とシェアを誇るモール型越境ECプラットフォームです。その最大の特長は、注文から12時間以内に配送を行う「ロケットデリバリー」に代表される優れた物流インフラであり、顧客満足度が非常に高い購買体験を提供しています。

取り扱う商品は家電、日用品、ファッション、食品など多岐にわたり、日本製品の人気も高いため、越境販売に最適な市場です。決済手段は韓国ウォンを中心に、クレジットカードやモバイル決済にも対応しています。

海外事業者向けには、英語で対応する出店ガイドや管理画面が整備され、日本語サポート資料も提供されています。初期費用は不要で、販売手数料は商品カテゴリごとに5~15%程度です。韓国市場に強みを持ち、迅速な物流と高い集客力を求める事業者にとって、魅力的なプラットフォームです。

参考:Coupang

Gmarket(韓国)

Gmarket(韓国)は、韓国内で圧倒的なシェアを誇るモール型の越境ECプラットフォームで、月間訪問者数は約4,000万人に達します。楽天との連携を通じて、日本企業の出店支援も進み、ファッション、コスメ、KPOP関連グッズなど多彩な商品を取り扱っています。

プラットフォームは韓国語や英語をはじめ、多言語表示に対応しており、決済方法も韓国ウォン、主要カード、モバイル決済に対応しています。物流面では、韓国内外のネットワークを活用し、迅速な配送が実現されています。

出店時には事前審査が行われ、信頼性の高い事業者のみが登録される体制が整備されており、法的リスクにも対応しています。管理画面は直感的で操作しやすく、また、日本語でのサポート資料も提供されているため、安心して利用できます。

初期費用は無料で、販売手数料は商品カテゴリに応じて異なります。韓国市場への本格的な展開を目指す事業者にとって、Gmarketは有力な選択肢となるでしょう。

参考:Gmarket

11番街(韓国)

11番街(11st)は、韓国の大手通信企業SK Planetが運営するモール型の越境ECプラットフォームで、韓国国内外からの出店を受け入れています。登録ユーザー数は5,000万人を超え、ファッションやコスメ、家電、生活雑貨など、さまざまな商品カテゴリに対応しています。

決済は韓国ウォンに対応しており、韓国語と英語の多言語表示も可能です。物流面では、国内外の配送業者と提携しており、迅速な配送が可能です。また、出店時には事前審査が行われ、信頼性の高い事業者のみが登録される仕組みです。

管理画面は直感的で使いやすく、日本語のサポート資料も整備されているため、韓国市場への進出が初めての事業者にも安心して利用できます。初期費用は不要で、販売手数料は商品カテゴリによって異なり、概ね5~15%程度です。このように、コストパフォーマンスにも優れたプラットフォームです。

参考:11番街

IndiaMART(インド)

IndiaMART(インディアマート)は、インド最大級のB2B特化型越境ECプラットフォームで、製造業や卸業、小売業など、さまざまな業種の事業者が利用しています。主に産業用資材や機械、建設関連、化学製品、アパレルなど、幅広い商品を取り扱っており、企業間取引に特化しています。

決済はインドルピーに対応しており、取引や表示は基本的に英語で行われるため、海外事業者も参加しやすくなっています。物流は各サプライヤーが対応し、国内配送と海外発送の可否は出品者によって異なります。

法規制に関しては、業種ごとに明確な取引ガイドラインが提供されており、商談前にリスク回避がしやすい設計となっています。管理画面は英語を中心に提供されており、導入支援を行う代行業者も存在します。基本的には無料プランから始められ、有料プランでは優先リードやマーケティング支援など、成長段階に応じた活用が可能です。

参考:IndiaMART

自社EC型プラットフォーム10選を比較

自社EC型プラットフォーム10選を比較

自社EC型の越境ECプラットフォームを選ぶ際には、プラットフォームの使いやすさや機能性が特に重要なポイントとなります。自社専用のオンラインショップを構築し、世界中の顧客に向けて直接販売するためには、柔軟なカスタマイズ性が求められます。

ここでは、世界各国で人気の自社EC型プラットフォームを厳選し、その特徴や活用法を解説します。

プラットフォーム名 特有の特徴 取り扱い商品 決済方法・通貨・言語対応 物流・配送対応 法的リスクへの対応 管理画面・サポート機能 初期費用・月額費用・販売手数料
Shopify(ショッピファイ) 使いやすさと拡張性が高い。多言語・多通貨対応、マーケティング機能が豊富 幅広い商品 50の言語、130以上の通貨、100種類以上の決済方法対応 FBA(フルフィルメント by Amazon)や自社物流を活用可能 海外の税制や規制に自動対応 日本語対応、簡単な操作画面、サポートあり 月額29米ドル~、販売手数料約2.9%~
Magento(Adobe Commerce) 高度なカスタマイズ性、大規模サイト向け、オープンソース 大規模商品、BtoB、BtoC 60以上の言語、50以上の通貨、柔軟な決済方法 配送業者連携が可能、柔軟な配送管理ができる 輸出規制や関税に柔軟に対応 高度なカスタマイズが可能、サポートが強力 初期費用要問合せ、月額費用・手数料要問合せ
WooCommerce(ウーコマース) WordPressと統合、柔軟なカスタマイズが可能 アパレル、デジタル商品等 多言語対応、外部プラグインで多通貨対応、決済方法多様 外部プラグインで配送管理、配送業者との連携が必要 規制に関する確認が必要 WordPress管理画面、簡単な操作が可能 無料、サーバー費用、追加機能の費用が発生
Wix(ウィックス) 直感的なデザイン作成ツール、初心者向け 幅広い商品 190ヶ国対応、簡単に多言語・多通貨対応 物流サポートあり、配送業者との連携も可能 輸出規制の確認が必要 日本語対応、豊富なデザインテンプレート 月額1,200円~、販売手数料が発生
LaunchCart アジア市場に強い、簡単なインターフェース 幅広い商品 160通貨対応、機械翻訳や人力翻訳による多言語対応 配送業者との連携、アジア向けに最適な配送方法が可能 各国の法規制に従う必要 簡単な操作画面、サポートがシンプル 初期費用55,000円~、月額費用32,780円~
Live Commerce(ライブコマース) 動画配信機能とパーソナライズ機能が強化されたプラットフォーム 各種商品 多言語対応、Facebook広告やGoogleショッピングとの連携が可能 物流サポートあり、レスポンシブデザインで各デバイスに対応 法規制対応、適切な広告規制が必要 パーソナライズ機能が強化された管理画面 初期費用34,769円~、月額費用1,870円~
PrestaShop(プレスタショップ) ヨーロッパ特化型、オープンソースで高いカスタマイズ性 幅広い商品 多言語・多通貨対応、主要な決済方法に対応 配送業者の追跡機能、配送方法を柔軟に設定可能 海外規制や税制に対応が必要 高度なカスタマイズが可能、オープンソース 無料、ホスティング費用や追加機能が必要
MakeShop(メイクショップ) 日本向けの越境EC支援に強み、輸出代行との連携が簡単 幅広い商品 多言語対応、外部決済プラグインを使用 配送代行サービス、物流管理が簡単 日本からの輸出手続きが簡素化 日本語対応、簡単な操作が可能 初期費用・月額費用要確認、販売手数料あり
Multilingualcart 多言語・多通貨対応に特化した越境ECプラットフォーム 幅広い商品 多言語自動切り替え、世界中の通貨に対応 複数配送業者との連携、迅速な国際配送が可能 各国規制に応じた対策が必要 管理機能とサポートが充実、効率的に運営可能 初期費用・月額費用要確認、手数料あり
BuyeeConnect 日本製品の海外販売を簡単に実現、タグ設置で利用可能 日本製品 日本語、英語、中国語等多言語対応、PayPalやAlipay決済対応 配送代行サービスあり、簡単に海外発送が可能 日本国内での規制に準拠、簡単に輸出可能 管理画面はシンプル、サポートが充実 料金は変動、手数料やサービス内容要確認

Shopify(ショッピファイ)|世界シェアNo.1の越境ECプラットフォーム​

Shopifyはカナダ発の越境ECプラットフォームで、世界175ヶ国以上で利用され、170万以上の店舗が出店しています。その特徴として、専門的な知識がなくても簡単にECサイトを立ち上げられる点が挙げられます。

Shopifyは50以上の言語と130カ国以上の通貨に対応しており、越境ECを始める際に非常に便利な選択肢となっています。また、決済方法は100種類以上の地域に対応し、配送や関税計算の自動化も進んでいます。

さらに、Shopifyは豊富なデザインテンプレートを提供しており、初心者でもおしゃれなECサイトを作成できます。6,000以上のアプリと連携することで、さらに多機能を追加することが可能です。

海外マーケティングのサポートも充実しており、InstagramやFacebook、Google広告を自動で作成する機能も提供しています。日本語対応が進んでおり、現地市場への適応も整っています。 初期投資が少なく、スモールビジネスから大規模事業者まで幅広い企業に最適なプラットフォームです。

参考:Shopify

Adobe Commerce(Magento)|柔軟なカスタマイズが可能な大規模向け​

Magento(Adobe Commerce)は、企業向けに高度なカスタマイズ機能を提供するECプラットフォームです。2007年に設立され、2018年にAdobeに買収されて現在の名称が付けられました。

60以上の言語と50以上の通貨に対応し、特に越境ECに強みを持っています。このため、グローバル市場への展開をスムーズに進めることができます。大規模なオンラインストア向けに最適で、商品のカタログ、注文処理、支払い処理、配送管理など、多機能が備わっています。

また、Magentoは無料版であるMagento Open Sourceを提供しており、必要に応じて商用版(Adobe Commerce)にアップグレードすることができます。柔軟性が高く、企業独自のブランドに合わせたデザインや機能のカスタマイズが可能で、大規模な商材や多国籍市場に向けた展開を支援します。

参考:Adobe Commerce

WooCommerce|WordPressと連携した無料ECシステム​

WooCommerceは、WordPressと連携して使用できる無料のECプラットフォームで、世界中で最も利用されています。企業が自社のオンラインストアを立ち上げ、越境ECを行う際に広く選ばれているツールです。

WordPressにインストールすることで、商品登録や配送設定、価格調整が簡単に行えるため、専門的な知識がなくてもスムーズに運営を開始できます。また、柔軟なカスタマイズ機能があり、個別のニーズに応じた機能追加やデザイン変更が可能です。

さらに、WooCommerceは多言語対応や通貨の自動変換、決済手段の多様化にも対応しており、国際市場への進出をサポートします。物流や配送については、WooCommerce単体での対応が難しいこともありますが、外部プラグインを組み合わせることで、必要な機能を追加できます。

初期費用が無料で、月額費用や販売手数料も比較的低いため、スモールビジネスやスタートアップにとって非常に魅力的な選択肢です。

参考:WooCommerce

Wix(ウィックス)|デザイン性に優れた中小企業向けサイト構築​

Wixは、デザイン性に優れたウェブサイト構築ツールで、特に中小企業や個人事業主に最適なプラットフォームです。ユーザーは、500種類以上のテンプレートから選び、直感的な操作でネットショップを開設できます。

その最大の魅力は、高いカスタマイズ性です。ページ上の各要素をドラッグ&ドロップすることで、独自のオンラインショップを作成することができます。Wixストア機能では、商品のギャラリーや関連商品一覧を簡単に作成でき、FacebookやInstagramとの連携で販売チャネルを広げることが可能です。

決済方法はクレジットカードやコンビニ決済、Pay-easyなど、豊富な選択肢を提供し、柔軟に対応できます。Wixの料金プランは月額1,200円からとリーズナブルで、個人店にも利用しやすい価格設定が特徴です。

さらに、独自ドメインが初年度無料で提供され、ブランド構築を支援します。無料プランでは商品販売機能に制限がありますが、全体の操作感を確認した後、有料プランへの移行もスムーズに行えます。

参考:Wix

LaunchCart|アジア市場に強いスタートアップ向けサービス​

LaunchCartは、アジア市場向けに特化した越境ECプラットフォームであり、台湾、韓国、中国、マレーシア、インド、シンガポールなどで広く利用されています。シンプルで直感的なインターフェースが特徴で、越境ECを始めたばかりの事業者にも使いやすい設計です。

特に、160通貨対応と多様な翻訳オプションを提供しており、機械翻訳に加えて、翻訳会社やクラウド翻訳サービスを通じた人力翻訳にも対応しています。これにより、多言語での運営が求められるアジア市場に適した環境が整っています。

また、商品管理、顧客管理、受注管理、倉庫連携など、越境ECに必要な機能が標準装備されており、他のアジア市場向けプラットフォームとも一貫して利用できます。

参考:LaunchCart

Live Commerce|多言語対応・動画配信が可能な販売ツール​

Live Commerceは、越境ECプラットフォームの中でも、特にパーソナライズ機能が充実しています。AIによる機械学習機能を活用し、ユーザーの購買履歴や好みに基づいて関連商品やおすすめ商品を表示します。

これにより、消費者一人ひとりに最適な商品提案が可能となり、売上の向上が期待されます。さらに、Live CommerceはGoogleショッピングやFacebook広告と連携しており、複数の販売チャンネルを活用できます。

これにより、集客の難しさを解消するための強力な支援が得られます。レスポンシブデザインを採用しており、PCやスマートフォンなど、さまざまなデバイスで利用が可能です。また、無料体験版が提供されており、初期費用を抑えてサービスを試すことができます。

多言語対応にも優れており、海外市場向けの越境EC展開を目指す企業にとって、非常に有益な選択肢となるでしょう。

参考:Live Commerce

MakeShop(メイクショップ)|輸出代行と連携し業務を効率化​

MakeShop(メイクショップ)は、GMOが提供するASP型ショッピングカートサービスで、越境EC支援サービス「WorldShoppingBIZ」と連携しており、海外展開をサポートしています。

特に、日本国内でプレミアムプランを利用しているユーザーには、越境ECを無料で始められるメリットがあります。取り扱える商品ジャンルはアパレル、家電、食品など幅広く、現地通貨や言語に自動で最適化される決済方法や通貨対応機能を提供しています。

物流や配送方法も現地のニーズに応じて柔軟に対応しており、法規制や輸出制限にも配慮しています。また、管理画面は日本語に対応しており、操作が簡単で、サポート体制も充実しています。

初期費用や月額費用はGMOのプランに基づき、販売手数料もプランによって異なりますが、初心者でも越境ECを始めやすいため、特に日本市場から海外展開を検討している中小企業に最適なプラットフォームと言えます。

参考:MakeShop

PrestaShop|ヨーロッパ圏をターゲットにしたオープンソース型​

PrestaShopは、ヨーロッパ圏で広く認知されているオープンソース型の越境ECプラットフォームです。多言語・多通貨対応が特徴で、柔軟なカスタマイズと拡張性に優れています。

これにより、さまざまな商材やターゲット市場への対応が可能となります。決済方法は、主要な決済プラットフォームと連携でき、特にKOMOJUとの統合により、便利な多通貨決済が実現します。

商品や在庫管理システムも強力で、複数サイトの在庫を一元管理することができます。配送は、PrestaShopが認めた配送業者を通じて、追跡機能が提供されます。しかし、オープンソースであるため、専用のサポートがなく、運用には一定の専門知識が必要となる点には注意が必要です。

インストールは無料ですが、ホスティングや追加機能の利用には費用がかかることがあります。

参考:PrestaShop

Multilingualcart|多言語対応に特化した国際販売支援プラットフォーム​

Multilingualcartは、多言語・多通貨対応に特化した越境EC支援プラットフォームで、国際市場への進出を目指す企業に最適なサービスを提供しています。ACD社が運営し、10年以上の実績を誇ります。

配送方法はEMS、FedEx、ヤマト国際宅急便など、複数の選択肢から選べ、柔軟に対応が可能です。また、複数店舗の運営を効率化する機能も搭載されており、越境ECに必要な管理業務をサポートします。

このプラットフォームでは、取り扱い商品に制限はなく、アパレルから家電に至るまで、幅広い商材を取り扱うことができます。決済方法は、世界中の主要な通貨に対応し、多言語切り替え機能を活かすことで、ユーザーの言語に合わせた対応が可能です。

物流面でも、国際配送に必要なオプションが揃っており、現地のニーズに応じた迅速な対応が実現します。初期費用や月額費用は、個別契約に基づき設定され、手数料は取引内容に応じて発生します。

参考:Multilingualcart

BuyeeConnect|日本製品の海外販売を手軽に実現

BuyeeConnectは、タグの設置だけで自社ECサイトに海外専用のカートを簡単に導入できるサービスです。BEENOSグループが運営しており、特に日本企業の越境EC支援に強みを持っています。

このサービスは多言語に対応しており、日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、インドネシア語、タイ語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語を選べます。決済方法としては、PayPalやAlipayなど、海外で主流の決済手段を導入し、柔軟な決済環境を提供しています。

さらに、定期的に国際配送料が無料になるキャンペーンを実施しており、越境ECに挑戦する企業を積極的にサポートしています。これにより、低コストで国際展開を始めたい企業にとって、非常に有益な選択肢となります。

参考:BuyeeConnect

まとめ:商材とターゲットに合った越境ECプラットフォームを選ぼう

越境ECプラットフォームを選ぶ際には、商材やターゲット市場に最適な選択をすることが重要です。モール型と自社EC型にはそれぞれの利点と欠点があるため、自社の状況に応じた選定が求められます。

モール型は、集客力や決済・物流機能が整っており、特に新規参入に適しています。一方、自社EC型はブランドの個性を活かした自由な運営が可能ですが、集客や多言語・多通貨対応など運営面での負担が大きくなります。

どちらのプラットフォームを選ぶにしても、ターゲット国や商材の特性を踏まえ、サポート体制や運用コストを十分に検討した上で決定しましょう 。

越境ECを本格的に始めるには、信頼できる支援パートナーの存在も欠かせません。より確実に成果を上げるために、コンサルティング会社の活用も検討してみてください。