海外展開に関心があっても、越境ECの立ち上げには多言語対応や物流体制の整備、さらには文化や法規制の違いなど、乗り越えるべき壁が多く存在します。これらをすべて自社でまかなうのが難しいと感じたときは、越境EC代行の利用を検討するのもひとつの方法です。
そこで今回は、越境EC代行の基本的な仕組みに加え、委託可能な業務や費用の目安、信頼できる代行会社の選定ポイントまでをわかりやすくご紹介します。
越境EC代行とは?

越境EC代行とは、海外市場向けのECサイト構築や運営に関わる業務を、専門の事業者に委託するサービスを指します。自社で越境ECを進めるには、多言語対応や物流体制の整備、現地決済への対応、さらには法律や文化の違いへの配慮など、さまざまな課題に直面します。
こうしたハードルを乗り越える手段として、越境EC代行会社が担う役割は大きく、海外ECモールへの出店支援をはじめ、商品情報の翻訳、集客のためのマーケティング施策、カスタマーサポートまでを一括でサポートしてくれます。
ノウハウや人員が十分でない企業でも、こうした支援を活用すれば、無理なく海外展開を実現しやすくなります。まずは自社の状況を整理し、どのような支援が必要かを見極めることが、最適な代行会社を選ぶうえで欠かせません。
越境ECの代行会社に依頼できる業務内容

越境ECの運営には、多言語対応のECサイト構築から現地市場に合わせたプロモーション、物流や関税の手続きまで、専門的かつ煩雑な業務が数多く存在します。これらを自社だけでまかなうのは難しいため、代行会社に委託することで大きな負担軽減が可能です。
ここでは、越境EC代行会社に依頼できる具体的な業務内容についてご紹介します。次に続く各項目を参考に、自社に必要な支援範囲を整理してみましょう。
越境ECサイトの構築・初期設定
越境ECを始めるうえで最初に重要となるのが、海外対応に適したECサイトの構築と初期設定です。多言語・多通貨への対応や、各国の商習慣に合わせたUI設計、さらには法規制への配慮など、国内向けECサイトとは異なる視点と配慮が必要となります。
こうした対応には専門知識が求められるため、自社でゼロから構築するのは簡単ではありません。そのため、多くの企業が代行会社の支援を受けています。代行会社に依頼することで、Shopifyなどの越境EC対応プラットフォームを活用したサイト構築に加え、翻訳や決済システムの導入、必要に応じたカスタマイズまでを一括で任せることが可能です。
特に立ち上げ段階では、ターゲット市場に最適化された設計をプロに委ねることでスムーズな運用が実現し信頼性の高いスタートを切ることができます。
海外モールへの出店・アカウント開設
海外ECモールへの出店やアカウント開設は、越境ECを手軽に始める有効な手段の一つです。AmazonやeBay、Tmallといった各国で広く利用されているモールに出店するには、それぞれ特有の仕様や契約手続き、多言語対応が必要となり、自社だけで対応するには負担が大きくなりがちです。
こうした課題を解消するために、代行会社を活用するという選択があります。出店申請やアカウント開設の手続きに加え、商品登録や初期設定、現地法規制への対応までを一括で任せられるため、業務負担を軽減できます。さらに、モールごとの販売ルールや集客施策にも精通しているため、出店後の運用も円滑に進みやすくなります。
越境ECを初めて導入する企業にとって信頼できる代行会社のサポートは、リスクの低減と成功の可能性を高める重要な要素といえるでしょう。
商品情報の翻訳・ローカライズ対応
海外で商品を販売する際には、単なる言語の翻訳では不十分であり、現地の文化や消費者の購買行動に合わせた「ローカライズ」が欠かせません。たとえば、サイズ表記や色の印象、訴求すべきポイントは国や地域によって異なるため、これらを誤ると商品の魅力が正確に伝わらず、販売機会を逃すおそれがあります。
越境EC代行会社に依頼すれば、現地市場に精通したスタッフが、商品説明文や画像キャプションをターゲット国向けに調整してくれます。特に中国や東南アジアなどの多言語・多文化市場では、プロによる翻訳とローカライズ対応が売上に直結する重要な要素です。
自社での対応が難しい場合は、専門知識を持つ代行会社の力を借りることで、現地ユーザーに伝わる商品情報を整備し、より効果的な展開が可能になります。
運営・販売管理の代行
越境ECを安定的に運営するには、受注処理や在庫管理、カスタマーサポート、返品対応など、多岐にわたる業務を滞りなく進める体制が欠かせません。特に海外市場では、時差や言語、文化の違いがあるため、迅速かつ丁寧な対応が信頼構築に直直します。
こうした環境下では、販売管理業務を代行会社に任せることで、現地の事情に精通したスタッフが対応し、トラブルの予防や対応力の向上が見込めます。さらに、販売実績の分析やキャンセル率の管理、売上データのレポート作成までを一括して支援する企業も存在します。
これにより、業務の効率化が進み、担当者の負担も軽減されます。限られたリソースでの運営を求める企業にとっては、販売管理の外部委託が効果的な選択となるでしょう。
マーケティング支援・プロモーション施策
越境ECで成果を上げるには、現地市場に適したマーケティング戦略が不可欠です。代行会社を活用すれば、ターゲット国のトレンドや購買行動を踏まえたSEO対策やSNS運用、広告配信、インフルエンサー施策など、幅広いプロモーション支援が受けられます。
たとえば、中国市場ではWeChatやWeiboといった現地SNSを活用したPRが有効であり、欧米圏ではInstagramやGoogle広告が主な手段となります。さらに、現地言語による商品レビューの獲得や動画コンテンツの制作など、ユーザーとの信頼関係を深める施策も充実しています。
自社では対応が難しい文化的背景や消費者心理にも的確にアプローチできるためプロによる支援を受けることで短期間での認知拡大と売上向上が期待できます。
物流・決済・関税などの実務サポート
越境ECでは、商品の国際配送や決済、関税処理など、専門知識を要する複雑な業務が数多く発生します。中でも、配送業者の選定や送料の設定、現地通貨での決済手段の導入、さらには国ごとに異なる関税対応といった作業は、自社のみで対応するにはハードルが高いのが現実です。
こうした実務を代行会社に委託すれば、現地事情に精通したプロフェッショナルが、最適な物流網の構築や安全性の高い決済手段の導入支援を行ってくれます。 また、通関書類の作成、関税の試算、各国の規制への対応も任せられるため、輸送に伴うトラブルを未然に防ぎやすくなります。
結果として、初めての越境ECであっても、安心して事業を展開できる体制が整えられます。
越境EC代行の費用相場

越境EC代行の費用は、依頼する業務内容や契約形態によって異なります。主な費用体系には「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3つがあり、それぞれに特長と適した企業タイプがあります。
以下の表では、各費用形態の相場と特徴、向いている企業の傾向をまとめています。
費用形態 | 相場 | 特長 | 適した企業 |
---|---|---|---|
固定報酬型 | 月額1〜10万円 | 月額費用が一定で、コストの見通しが立てやすい | 初期段階で売上が安定していない企業 |
成果報酬型 | 売上の5〜10% | 売上に応じて費用が変動し、リスク分散につながる | コストを成果に連動させたい企業 |
複合型(固定+成果) | 月額数万円+成果に応じた追加報酬 | 基本料金に加えて、成果に応じた報酬を支払う形式 | 一定の支援と成果連動型を併用したい企業 |
このように、費用形態には複数の選択肢があるため、契約前に具体的な支援内容と費用のバランスをしっかり確認することが重要です。とくに成果報酬型は初期負担が少ないように見えますが、売上が大きくなった際に支払額が増える点には注意しましょう。
また、初期費用やオプション費用の有無についても、事前に確認しておくと安心です。
越境EC代行を利用するメリット

越境ECの立ち上げや運営には、多言語対応・物流・決済・法規制など多岐にわたる課題があります。こうした負担を軽減し、より効果的に海外展開を進める手段として注目されているのが越境EC代行の活用です。ここでは、代行を利用することで得られる具体的なメリットをご紹介します。
構築や出店にかかる工数を大幅に削減できる
越境ECにおいて自社でサイト構築や海外モールへの出店を進める場合、多言語・多通貨への対応設計や煩雑な申請作業が必要となり、膨大な工数を要します。こうした準備段階の負担を大きく軽減できる点が、越境EC代行サービスの強みといえるでしょう。
プラットフォームの初期設定に加え、各モールの規約対応や商品登録までを一括で委託できるため、短期間での立ち上げが実現します。社内リソースに限りがある中小企業にとっても、プロのサポートを受けることで、手間を最小限に抑えながらスムーズに海外展開を始められるのが大きな魅力となります。
プロによる運用で売上アップが期待できる
越境ECで成果を上げるためには、販売戦略・集客・運営の各分野で高度な知見が求められます。代行会社に運営を委託すれば、実績豊富な専門家の視点から最適な市場分析と販売戦略が実施され、スムーズな売上拡大が見込めます。
たとえば、商品特性に応じた訴求方法や広告運用、モール内SEOなどを一貫して対応してもらえる点は大きな利点といえるでしょう。実際に、多くの企業が代行会社の支援を通じて売上向上を実現しています。社内に専門人材がいない場合でも、プロのサポートにより収益のチャンスを逃さず、安定した運用体制の構築が可能になります。
海外の商習慣や言語の壁にも対応できる
越境ECを展開する際には、各国特有の商習慣や言語の壁といった課題に直面しやすくなります。文化的背景や購買傾向、さらには現地の法制度まで含めると、自社のみで対応するのは容易ではありません。そのような場合には、ターゲット国に精通したスタッフが在籍する代行会社の活用が有効です。
たとえば、適切な商品説明の翻訳や、文化に配慮したプロモーション設計、現地カスタマーとのスムーズなコミュニケーション支援など、実務レベルでの対応が可能となります。こうした支援を通じて運用体制を整えることができれば、海外ユーザーの満足度向上に加えて、リピート率の改善にもつながるでしょう。
面倒な事務手続きも一括で引き受けてくれる
越境ECでは、国ごとに異なる出店手続きや契約書の作成、通関書類の準備、関税対応など、煩雑で専門的な事務作業が多く発生します。これらを自社で対応するには、高度な知識と多大な時間が求められますが、代行会社を活用すれば、こうした業務をまとめて任せることができ、担当者の負担を大きく減らすことが可能です。
たとえば、海外モールのアカウント開設や商品登録、各種書類の整備、申請手続きの代行まで、幅広く支援を受けられます。その結果、限られたリソースしか持たない企業でも、効率的に海外展開を進められる環境が整います。
アフターフォローや継続支援が充実している
越境ECは開始することが目的ではなく、継続的な運用こそが成功の鍵を握ります。その点において、信頼できる代行会社は運用開始後のサポートも充実しており、長期的な視点での支援を受けられるのが特長です。
たとえば、販売データに基づいた改善提案や販路拡大を見据えた追加施策の立案、さらにトラブル発生時の迅速な対応など、多角的なフォローが期待できます。こうした支援体制が整っていれば、越境ECの経験が少ない企業でも安心して取り組むことができ、段階的な成長へとつなげやすくなります。
越境EC代行を利用するデメリット

越境EC代行の活用は、専門的な知識やリソースを補完し、海外展開の大きな助けとなりますが、メリットばかりではありません。外部に運営を委ねる以上、思わぬ課題やリスクが発生するケースもあります。ここでは、実際に代行を利用する際に注意すべき代表的なデメリットを確認し、自社に合った導入判断を行うための材料としてください。
信頼関係の構築に時間がかかる
越境EC代行会社と信頼関係を築くには、ある程度の時間がかかる点を理解しておく必要があります。とくに初期の段階では、メールや電話といった非対面のやり取りが中心となるため、意思のすれ違いが生じやすく、期待通りの対応が得られないこともあります。
商習慣や文化、認識の違いがある海外ビジネスにおいては、円滑な連携を図るうえで丁寧なコミュニケーションが不可欠です。信頼関係の構築に向けては、定期的なミーティングの場を設けたり、要望を明確に伝えたりする姿勢が重要です。
また、成果に対してフィードバックを積極的に行うことで、相互理解が深まり、柔軟な対応を引き出すことにもつながります。こうした積み重ねにより、信頼できるパートナーとしての関係が築かれ、スムーズな運用が実現しやすくなります。
コストが割高になるケースもある
越境EC代行は高度な専門性が求められる分、コストが割高になる場合があります。依頼する業務の範囲が広がるほど、初期費用や月額料金、成果報酬を含めた総費用は増加する傾向にあります。
たとえば、マーケティング支援や多言語対応のカスタマーサービス、物流最適化など、より高度なサービスを依頼した場合には、月額で10万円を超えるケースも見られます。さらに、売上に応じて報酬が決まる成果報酬型の契約では、予想を上回る成果が出た際に負担が大きくなることもあるため注意が必要です。
こうしたコスト面の不安を軽減するには、契約形態やサービスの範囲、見積もりの内容を事前に丁寧に確認したうえで、複数の代行会社を比較することが重要です。金額だけにとらわれず、提供される支援内容とのバランスを見極めて導入の判断を行うことが求められます。
社内にノウハウが蓄積されにくくなる
越境ECの運営を代行会社に委託すると、業務の効率化や成果の最大化が期待できる反面、社内にノウハウが蓄積されにくくなるリスクも伴います。すべての業務を任せきりにしてしまうと、どの施策が成果に直結したのか、どのような課題があったのかを把握できず、自社の経験として蓄積されません。
将来的に内製化を検討している場合や、一部業務のみを外部に委託したい企業にとっては、情報共有や定期的な報告体制の整備が重要です。運用状況を可視化し、フィードバックの機会を確保することで、外部委託であっても社内にノウハウを残すことが可能となり次の戦略に活かせる土台が築けます。
自社方針とのズレが起きる可能性がある
越境EC代行を利用する際には、自社の方針やブランド戦略と代行会社の提案にズレが生じるリスクに注意が必要です。特に、マーケティング施策やプロモーションの方向性、商品情報の見せ方、カスタマー対応のトーンが自社の価値観と異なる場合ブランドイメージの一貫性が損なわれるおそれがあります。
結果として、ユーザーからの信頼を失う要因になりかねません。こうしたミスマッチを避けるには、依頼前に自社の方針や考え方を文書化し、代行会社と共有することが重要です。さらに、定期的なレビューや打ち合わせを通じて進行状況を丁寧に確認し認識のズレが生まれないような体制を整えることで、意図しない方向への乖離を最小限に抑えられます。
業者選びを誤ると期待した効果が得られない場合がある
越境EC代行会社の選定を誤ると、期待した成果が得られないばかりか、ブランドイメージの毀損やコストの増加といったリスクを招くおそれがあります。たとえば、対応可能な国や地域、実績、業務範囲が自社のニーズと合っていない場合、運用の方向性や成果に大きなギャップが生まれます。
さらに、契約内容や費用体系が不透明なまま進めてしまうと、後から想定外の追加費用が発生するケースも見受けられます。こうしたトラブルを避けるためには、複数の候補企業を比較したうえで、自社が求める支援内容とどの程度一致しているかを慎重に見極める必要があります。
信頼性の高いパートナーを選定することによって、越境ECの成功率を大きく高めることができるでしょう。
越境EC代行会社の選び方

越境EC代行会社を選ぶ際は、自社に最適なパートナーを見極めることが成功のカギを握ります。地域特化の強みや対応可能な業務範囲、費用体系、実績など、チェックすべき項目は多岐にわたります。ここからは、信頼できる代行会社を選定するために押さえておきたい重要なポイントを具体的に解説します。
販売したい国・地域に対応しているか
越境EC代行会社を選定する際は、自社が販売を予定している国や地域に対応しているかを必ず確認する必要があります。国や地域によって、言語、商習慣、決済手段、物流事情、規制などは大きく異なり、対応経験の有無が成果を左右します。
たとえば中国市場では、TmallやWeChatに精通した支援が求められます。一方で、欧米市場ではShopifyやAmazonの運用実績を持つ企業のほうが適している傾向にあります。特定のエリアに強みを持つ代行会社を選ぶことで、現地ニーズに即した販促戦略を展開しやすくなり、スムーズな運営にもつながります。
そのため、代行会社の対応領域や過去の実績を事前に確認し、自社のターゲット市場と一致しているかどうかを慎重に見極めることが、成功への第一歩となるでしょう。
自社が求める業務範囲に対応しているか
越境EC代行会社を選ぶ際は、自社が委託したい業務範囲に対応しているかを事前に確認することが重要です。代行会社ごとに対応可能な業務には違いがあり、ECサイト構築やモール出店、商品ページの作成に加え、受注・在庫管理、マーケティング、カスタマー対応まで、その範囲には幅があります。
自社内で手が回らない工程や、今後強化していきたい分野を明確にしたうえで、それに見合ったサービス内容を提供する会社を選ぶ必要があります。たとえば、初期の立ち上げ支援を重視している企業と、運用フェーズでの継続的なサポートを求めている企業とでは、選ぶべき代行会社も変わってきます。
また、依頼内容に柔軟に対応できるかどうかや、過去の実績も確認しておくと安心です。
実績や支援件数は問題ないか
越境EC代行会社を選定する際は、過去の実績や支援件数の確認が欠かせません。運営経験が豊富な企業であれば、国や地域ごとの事情に通じており、最適な提案や迅速なトラブル対応も期待できます。たとえば、ジェイグラブ株式会社は3,000社以上、BeeCruise株式会社は累計5,000件を超える支援実績を持ち、いずれも信頼性の高い企業といえるでしょう。
実績のある企業は、多様な業種や販売チャネルへの対応にも長けており、自社に合った柔軟な運用が可能です。その一方で、支援対象の業種や地域が、自社の展開方針と一致しているかを事前に確認することも大切です。特に、公的機関や大手企業からの支援実績がある企業は、より信頼性の高いパートナー候補となります。
費用体系と報酬モデルは明瞭か
越境EC代行会社を選定する際は、費用体系と報酬モデルの明確さを必ず確認する必要があります。代表的なモデルには「固定報酬型(月額1~10万円)」「成果報酬型(売上の5~10%)」「複合型(固定+成果連動)」の3種類があり、それぞれに特性と留意点があります。
費用が不透明な場合、契約後に想定外の追加費用が発生する恐れもあるため、見積書や契約書に記載された条件は事前によく確認してください。また、委託する業務内容に対して提示されている料金が妥当かどうかも判断基準となります。
信頼性の高い代行会社は、契約前に詳細な料金体系を提示し、報酬の発生条件や支払い方法についても丁寧に説明してくれるでしょう。
サポート体制や連携のしやすさは問題ないか
越境EC代行会社を選定する際は、サポート体制や連携のしやすさにも注目する必要があります。特に初めての海外展開では、日常的な連絡の取りやすさやレスポンスの速さが、運用に対する安心感につながります。
たとえば、BeeCruiseのように18言語に対応した多言語サポートを提供している企業や、エフカフェのように物流・運用・広告をワンストップで支援する体制を整えている会社は、実務の負担軽減にも役立ちます。
また、専任の担当者が付き、定例ミーティングや報告書によって進捗を共有できる体制が整っているかどうかも、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。信頼関係の構築には時間がかかるため、柔軟に対応できる仕組みが備わっているかを見極めることが、越境ECの成功を左右するポイントとなります。
おすすめの越境EC代行会社10選

越境ECの成功には、自社の課題や目標に合った支援会社の選定が欠かせません。とはいえ、対応領域や得意分野は会社ごとに異なるため、比較検討は重要です。ここでは、実績や対応力に優れたおすすめの越境EC代行会社を10社ご紹介します。各社の強みを把握し、自社に最適なパートナー選びにお役立てください。
おすすめの越境EC代行会社
会社名 | 特長・強み |
---|---|
ジェイグラブ株式会社 | 30以上のモール対応、3,000社超の実績、官公庁支援実績もあり |
BeeCruise株式会社 | 5,000件以上の支援実績、18言語対応、手数料無料のBuyee Connect |
株式会社LIFE PEPPER | 30カ国以上・1,000社超の実績、多国籍メンバーによるマーケティング支援 |
株式会社エフカフェ | 中国市場に特化、CX Navigateによる顧客体験重視の支援 |
JUTOU株式会社 | 中国市場に強み、ライブ配信・現地メディア活用など実践的プロモーション |
株式会社SIパートナーズ | BtoB・BtoC支援、官公庁連携プロジェクト参加実績あり |
株式会社ワサビ | 丸投げ支援可、108言語翻訳・成果報酬型、低コストで開始可能 |
アートトレーディング株式会社 | 20年以上の実績、物流一括支援、月額制で明瞭な料金体系 |
SAVAWAY株式会社 | ITノウハウに基づく一元管理、モール横断の運営支援が可能 |
トゥルーコンサルティング株式会社 | 実地調査と戦略提案、法規制対応や現地企業との連携支援 |
ジェイグラブ株式会社

ジェイグラブ株式会社は、越境EC支援の分野で3,000社を超える実績を持つ、国内有数の専門企業です。eBayやAmazonをはじめとした30以上の主要モールに対応した独自のプラットフォームを活用し、ECサイト構築からモール出店、販売運営、海外決済、物流支援までを一貫して提供しています。
また、農林水産省や東京都といった公的機関をはじめ、アパレルや工芸品など幅広い業種における支援経験も豊富で、初心者から大手企業まで柔軟に対応可能です。実際の運営においては、商品カタログの作成と国内発送のみで始められるという手軽さも大きな魅力といえます。
越境ECに本格的に取り組みたいものの、業務負担を最小限に抑えたい企業にとって、同社は信頼できるパートナーとなるでしょう。
参考:ジェイグラブ株式会社
BeeCruise株式会社

BeeCruise株式会社は、累計5,000件以上の越境EC支援実績を持つBEENOSグループの一員として、日本企業の海外展開を総合的に支援しています。年間流通総額700億円超・114カ国以上への対応といった圧倒的なスケールを活かし、運営フェーズごとに最適なプランを提案しています。
中でも「Buyee Connect」は、導入費・月額費・販売手数料がすべて無料で、ECサイト運営者が国内と同じ感覚で越境販売を始められる仕組みです。最大18言語に対応した多言語サポート体制も整っており、初めて越境ECに取り組む企業でも、低リスクで効率的に海外販路を広げやすいのが特長です。
株式会社LIFE PEPPER

株式会社LIFE PEPPERは、海外マーケティングに特化した越境EC支援企業として、30カ国以上・1,000社超の実績を誇ります。従業員は17カ国出身の多国籍な構成で、グローバルな視点に基づいたECサイトの構築やプロモーション戦略の立案を強みとしています。
ShopifyやMagentoを活用した自社ECの構築に加え、AmazonやTmallなどへのモール出店にも対応可能です。また、SNS運用や動画制作といった多様な施策を組み合わせることで、海外ユーザーの購買行動に即したマーケティングを展開できます。
売上ゼロの状態から年商数億円規模に成長した事例もあり、集客と販売の強化を目指す企業にとって、信頼できるパートナーとなるはずです。
株式会社エフカフェ

株式会社エフカフェは、中国市場に特化した越境EC支援を得意とする企業です。特にTMALL(天猫国際)や京東(JD Worldwide)といった中国最大級のモールに対する出店支援に強みを持ち、物流体制の構築や現地向け広告運用、サイト制作、翻訳、受注対応までを一貫して提供しています。
また、国内ECでの豊富な運用経験を活かした顧客分析にも定評があり、CX(顧客体験)の向上を軸としたリピート促進や広告・SEO施策を支援する独自パッケージ「CX Navigate」も展開しています。現地法人の有無にかかわらず柔軟な対応が可能であるため、中国進出を本格的に目指す企業にとって心強いパートナーとなるでしょう。
参考:株式会社エフカフェ
JUTOU株式会社

JUTOU株式会社は、中国市場に特化した越境EC支援を強みとする企業です。天猫(Tmall)や京東(JD.com)、タオバオといった主要な中国ECモールへの出店や運営代行に加え、WeChatやWeiboを活用したインフルエンサーマーケティングにも対応しています。
さらに、SNSによるライブ動画配信や現地ニュースメディアへの記事掲載を通じて、現地の購買行動に合わせた効果的なプロモーションを展開しています。これまでに化粧品や日用品、医療部品、金属加工品など、さまざまな業種で100件を超える支援実績があります。
中国ビジネスに精通したコンサルタントが、現地ニーズに即した密着型のサポート体制を提供している点も特長といえるでしょう。
参考:JUTOU株式会社
株式会社SIパートナーズ

株式会社SIパートナーズは、越境ECや貿易の分野において、年間150社以上の海外展開を支援してきた実績を持つ企業です。2017年に中国での支援を開始して以降、現在では東南アジアやアメリカへの進出にも対応しています。
自社ECサイトの構築から物流体制の整備、広告運用、現地展開の支援までを一貫して提供できる体制が整っています。BtoB・BtoCのいずれにも対応可能で、東京都公社やテレビ東京と連携した越境ECプロジェクトにも参加した経験があります。
さらに、ライブコマースやJD.COM・Taobaoなど主要モールでの販促支援も行っており現地市場に根ざしたアプローチを重視しています。こうした支援体制は、海外展開を本格化させたい企業にとって、信頼できるパートナーとなるはずです。
参考:株式会社SIパートナーズ
株式会社ワサビ

株式会社ワサビは、越境ECを“丸投げ”で任せられる「WASABI PROJECT」を展開する代行会社です。日本語で商品情報を登録するだけで、Amazon・eBay・Taobaoなど6つの海外モールへ一括出品が可能になります。
商品情報は108言語に自動翻訳され、海外ユーザー対応や出荷業務も同社が代行するため、語学に精通した人材や専用の物流体制が社内になくても、スムーズに越境ECを始められます。
出品費用や掲載料はかからず、販売手数料のみが発生する成果報酬型モデルを採用しており、初期費用を抑えたい企業にとっても魅力的な選択肢です。低リスクで海外販路の開拓を目指す中小企業にとって、実践的かつ導入しやすいサービスといえるでしょう。
参考:株式会社ワサビ
アートトレーディング株式会社

アートトレーディング株式会社は、ECサイトの構築・運営から受注処理や物流まで、越境ECに関わる業務を一括で支援する企業です。20年以上にわたって蓄積されたノウハウを活かし、楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECサイトでの越境対応をサポートしています。
商品登録、広告運用、データ分析、クリエイティブ制作、コンサルティングなど、幅広い領域を網羅し、固定月額制による明瞭な料金体系を導入しています。特に物流分野ではフルフィルメントサービスを提供しており、販売から配送までを一貫して委託できる点が強みです。
こうした体制により、企業は運営負担を抑えながら海外展開を安定的に進めることが可能となります。
SAVAWAY株式会社

SAVAWAY株式会社は、越境ECを含むECコンサルティング事業と一元管理ツールの提供を通じて、複数店舗の運営効率を高める支援体制を整えています。楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・au PAY マーケットといった主要モールに加え、自社ECサイトにも対応し、商品ページの最適化やデータ分析、効果測定など幅広い業務をカバーしています。
なかでも、グループが培ってきたITノウハウを活かしたシステム連携は大きな強みです。出品や受注処理を一元化することで運用の手間を削減でき、業務負担の軽減と成果の最大化を両立させることが可能です。こうした点からも、効率的かつ実践的に越境ECを推進したい企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
参考:SAVAWAY株式会社
トゥルーコンサルティング株式会社

トゥルーコンサルティング株式会社は、日本国内だけでなく、中国や東南アジアを中心とした海外展開の支援にも豊富な実績を持つ経営コンサルティング会社です。越境ECの支援においては、現地視察を含む実地調査を行い、販路開拓や現地ニーズに合わせた販売戦略を提案しています。
対応可能な販路は、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECサイトなど多岐にわたり、商品ページの最適化やSEO、広告運用といった施策も一貫してサポートします。さらに、現地企業との連携体制を構築し、各国の法規制に配慮した対応にも力を入れており、海外市場へ確実に進出したい企業にとって信頼できる存在といえるでしょう。
越境ECを成功させるには、代行サービスの活用だけでなく、戦略立案や市場分析といった専門的な支援も欠かせません。こうした支援が必要だと感じている方は、越境ECに特化したコンサルティング会社の活用も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:越境EC代行を活用して海外展開を加速しよう
越境ECを展開するには、多言語対応や物流・決済の整備、現地文化への適応など、専門的な知識と継続的な運用体制が欠かせません。こうした課題に対応するうえで、信頼できる越境EC代行会社を活用することは非常に効果的です。代行サービスを利用すれば、自社のリソース負担を軽減しながら、より迅速かつ確実に海外市場への進出を図れます。
ただし、業者の選定を誤ると、期待した成果が得られないリスクもあります。自社の目的や直面している課題を明確にしたうえで、最適なパートナーを見極めることが重要です。本記事を参考に、必要な支援内容を整理し、自社に合った代行会社との連携を通じて、海外販路の拡大を着実に進めていきましょう。